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ザ・スーパー・ポップ宣言

U.S.BDG究極LP3

U.S.BDG 究極のLPコレクション - グループ編(3)



スウィート・ソウル・ベスト10 集計一覧

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マニアック甘茶ソウル@YOU TUBE


【 U.S.BDG 究極のLPコレクション - グループ編 】

(甘茶偏差値65以上)
(甘茶偏差値61以上)
(甘茶偏差値60)



27.PIRANHA / HEADED IN THE RIGHT DIRECTION (AMAZON SOUTH 5000)

PIRANHA  HEADED IN THE RIGHT DIRECTION.jpg

2007年2月にP-VINEよりGROOVE DIGGERSシリーズの一つとしてCD化されました。どうもお世話様です。このグループ、ピラニアと読むらしいですね。帯コピーによると「コレクター垂涎のアラバマ発アーリー'80Sモダン・ソウル」だそうな。ふーん、、、。

1は並のファンク。悪くは無いが良くも無い。2は暗めのファンクでさっぱり良さが分からないんだけど、こういうの好きな人もいるのかなあ。3は甘めのバラード。70年代ソウルとは一味違った80年代の洗練された小奇麗な雰囲気を持った曲。コーラスまでこじんまりとしています。私には健康を考えて作られた豆腐ハンバーグのように素っ気無い味だけれど、メロディはなかなかキャッチーなので80年代もの好きな方になら及第点かも。

4、7も暗めのファンク。5は明るめのファンク、サウンドもチャラチャラしてて聴き易いけど、特にメロディに魅力は無い。6はゆったりとしたグルーヴが心地よい曲。適度に乾いた空気感と甘く憂いを帯びたメロディがなかなかイイ。夏休みの終わりに楽しかった思い出を懐古している雰囲気だね。

アルバムの7曲中5曲がファンクなんだけど、この方たち、ファンクグループなんじゃないのかなあ?にもかかわらず発売元のページで試聴できるのが3と6ということからも、それらファンクには特に聴くべき内容のものは無いということでよいのでしょう。そうすると3と6をして「モダン・ソウル」と呼んでいるということになるのでしょうが、GOLDMINEのコンピなどで聴けるソレとはかなり趣きが違うのでご注意を。私には単にごく一般的な80Sソウルに聴こえます。(甘茶ソウルはありません。)

1 Good Time Lady
2 Medley: Gonna Take It Up,Take Me Higher
3 Headed In The Right Direction
4 (Get UP) Let Your Feelings Show
5 One-Sided-Love
6 Let's Get It Back Together (Again)(偏差値61)
7 Funk-A-Sol

28.POSITIVE CHANGE (FORTRESS 1001) '78

POSITIVE CHANGE 2.jpg

2000年にEXPANSION RECORDS EXCDM 7としてCD化されました。占い師と水晶玉をあしらったジャケが神秘的でいいムードです。

1. You Make It So Easy
2. Just Give Me a Part of You
3. Where Is She Today?
4. This Is Where I'll Be ('Till You Return)
5. Can't Get Away
6. Girl You Must Believe (It'ss You I Love)
7. (Just Once in Your Life) Be Fair With Me
8. Love of a Lifetime
9. Can't Believe You'd Break a Promise
10. Feel Like I'm Living With a Stranger

29.REFLECTIONS OF TIME / SWEET ROMANTIC AND SEXY JOY (PLG 777)

REFLECTIONS OF TIME

ソウル系のHPやブログでこのアルバムのレビューを見る機会は多い。甘茶ソウル百科事典でテリーさんが大きく取り上げているし、U.S.BDGでも高沢仁さんが究極のレア盤で取り上げているからであろう。某通販店でテリーさんが○万円ビッドしても落とせなかったというような高値な噂話も聞く。まあ話題先行の際たるお皿ではある。然しながらこのお皿の真の実態を伝える話は未だかつて見たことがないから非常に情けない。

このお皿の実態であるが、「JOY」というおかま声のPADROさんがアヘアヘ一人芝居をやってる一曲を除いて全て『MOMENTSのレコードの曲をそのまま収録した』完全なるブート、海賊盤である。あの偉大なる甘茶ソウルグループ、モーメンツの音がそのまま劣悪な音で収録されているだけなのである。

テリーさんが書いている『モーメンツのそっくりさんグループ』というのは間違いでモーメンツそのものなのである。甘茶ソウル百科事典が発行されてほどなくインターネット時代を迎えた訳だが、その頃から現在に至るまでソウル系のHPやブログでこのアルバムのレビューを見る機会は多いが、この事実に触れているものを私は見たことがない。中には洒落であえてその事実に触れていない人もいるのだろうが、ほとんどの人は明らかにその事実に気づいていないと断言できる。

この事実は相当情けない。多くのソウルファンがレア高値盤だからといって邪道な「REFLECTIONS OF TIME」は聴いても、王道の「MOMENTS」は聴いてないことの証左とも言えるし、「MOMENTS」のレコードを持っててもろくに聴きこんでないからその事実に気づかない人が多い、ということであろう。レコードコレクターの悲しい側面をまざまざと見せつけられた思いだ。それとこんな性質の悪い完全なブートレッグを堂々と販売している大手レコード店もどうかしてるな。

以上の観点から、この事実に気づかずにこのアルバムを褒めてるのを見かけたならば、どうか冷笑、軽蔑してあげて下さいな。

2007年4月から5月ぐらいに海外及び国内でCD化される予定、との情報を頂きました。(その後中止となったようです。)

12曲目の「SILLY BILLY」はSOFTONESの曲とご指摘頂きました。

1. JOY
2. RIDE YOUR PONY GIRL
3. CANDY SHACK
4. BABY I DON'T LIKE YOU
5. DON'T GO
6. I LOST ONE BIRD IN THE HAND
7. THIS OLD HOUSE
8. THE BEST THING FOR ME
9. I'M WILLING
10. BABY I'M A WANT YOU
11. REFLECTIONS OF TIME PARTY
12. SILLY BILLY

30.RHYTHM MACHINE / RHYTHM MACHINE (LULU 6072-25)

RHYTHM MACHINE 2.jpg

風の噂によるとこのお皿も超高額アイテムとしてお皿屋さんの棚に飾られていたらしいです。そう言われてみるとどうしても聴いてみたくなるのがマニア心というもの。ジャケは私の好きな宇宙もので、FUTURES、ROUND-TRIPなどと並んでなかなかB級な雰囲気がイイ。インディアナポリスを中心に活動していたファンクグループとのことで1、2、4、6といったところが暗く重ためのファンクナンバー。どれもこれといった魅力は感じないがファンクファンにはどうなのだろうか。3の出だしのギターの軽やかな刻みと爽やかで小気味良いコーラスはなかなかいい雰囲気だが肝心のお歌とメロディがそれに伴わず歯がゆい出来。サンプリングなどブレイクビーツ的な用途はアリか。

5は8分30秒もの長く散漫なスロー。ファルセットなども交えてそれなりのスウィートソウルを志向したようだけど、メロディ含めて魅力に乏しく甘茶偏差値54。残り1分をきってからバックがアップテンポになるんだけど全体をそれで通せばまた変った魅力を出せたかもしれない。7も4分超えのスローで暗く悲しげなコーラス部はそこそこキャッチー。しかしながら主旋律とリードは魅力に乏しくファルセットなどの入れ方も中途半端で甘茶偏差値は56。8は明るく軽めのミディアムだけど特筆すべき点はなし。

以上の観点からこのアルバムは甘茶ソウル的には全く重要ではないことになる。また、究コレの所で高沢氏が「ファンクよりスウィートの方が100倍良い」と書いてあるので、その言葉を考慮すればファンクナンバーの出来も自ずと知れたものということになるだろう。2006年にDIZZARE DIZ016としてCD化されました。(偏差値60以上はありません。)

1. You Got Action
2. Lil's Place
3. Put A Smile On Time
4. Thought My Love Was Fine
5. Brenda And Me (甘茶)
6. Everybody's Chippin'
7. You Make Me Feel Right (甘茶)
8. Can't Do It Without You

31.SAM AND BOB & THE SOULMEN FEATURING DORIS BADIE MISSISSIPPI MUD (SABO 1001)

SAM AND BOB & THE SOULMEN.jpg

32.STANDING ROOM ONLY / HEART AND SOUL (YGB 208032)'82

standing room only 2.jpg

ハートジャケである。しかも、高沢氏のコメントが「スウィートなグループ・アルバム」である。更にこの究コレ掲載品とくればいくら出しても欲しくなるというのが多くの甘茶者の心情であろう。このコーナーの数々の駄盤で痛い目に合った私でも思わず我を忘れて高値入札してしまいそう、、、。それぐらいの過剰な期待を寄せずにいられなかった「立見のみ」ですが、実体はなんとファンクバンド。しかも甘茶と呼べそうなのは出来のいまいちなA2の一曲のみというのだから驚かされた。情報が少ないって怖いネ。

9人組のファンクバンドのようで82年の作品。A1,A3,A4,B1,B3,B4とアルバム収録8曲中6曲もがファンク。基本はどれも普通の軽めのファンク。サウンドはバシャバシャいう音のするドラム音がチト耳障り。メロディ、サウンド、グルーヴとどれをとっても特筆すべきものは無い感じ。僅かにB4がスピードのあるノリのいいファンクで比較的面白みのあるグルーヴを感じられる。

そんな中で唯一の甘茶と呼べそうなのがアルバムタイトルにもなっているA2。前半はテナー・リードを中心としたいかにも80'Sファンクバンドのバラードといった感じ。後半からはファルセットが絶唱しまくり、その我を忘れたかのような過剰な姿勢には好感が持てますが、いかんせん全体のメロディに魅力が欠け、更に80'Sっぽい幾分洗練された感触が個人的には好みではなく偏差値は58程度。B2もテナー・リードの甘めのミディアム・スロウなんだけど、特筆すべきものは無い。結論としてはファンク・ファンなら一度ぐらい聴いてみてもいいかも、という程度でした。(偏差値60以上はありません。)

A1 star from the sky
A2 heart and soul
A3 take a chance
A4 universal funk affair
B1 desire
B2 take some time
B3 crazy feelin'
B4 searchin'

33.SPECIAL EDITION BAND / AT LAST (G.S.P./UNIVERSAL SOUND 3700)

special editon

甘茶ソウル百科事典 MOONY'S SELLECT 088。「U.S.BDG 究極のLPコレクション グループ編(以下、究コレと略)」のコーナーで紹介されながらも、甘百における実質的な甘茶ソウルアルバムベスト100コーナーに掲載された唯一の作品。玉石混合な究コレで紹介されているお皿の中でも間違いなくトップクラスに位置づけられるということでしょう。3曲ある甘茶ソウルはどれも高水準なので個人的にもかなりのオススメ。80年代後半の作品のようで、2006年にDIZZARE DIZ020としてCD化され現在は容易に入手可能。解説はマスクマン氏とのことです。どんなこと書いてるんでしょうねえ。

高速ファンクの1はグルーヴ、疾走感ともなかなか。シンセ飛び交う2もファンクだけど、1,6同様個人的にはあまり興味が向かない内容。やはり甘茶ソウル的には、3以降ということになります。シンセの透明感や遠くに鳴り響くエレピが心地よい3は80年代的洗練されたムードが素晴らしいバラード。このシンセ部分をストリングスで仕上げていたらどうだったろうと夢想も膨らみます。

5も3同様のバックだが、「昨日の夢」というタイトルが示す通り、夢見心地かつ切なくノスタルジックな雰囲気を持つメロディがより素晴らしい。個人的に甘茶ソウルの大事な要素と思っている『非日常感』がとっぷりと味わえるところも高ポイント。5分40秒にも及ぶ大河バラードですが、80年代後半でこんなこってりと甘いムードの作品があるとはね。7も電話のベル、テレフォントークで始まる典型的甘茶ソウル。少しこじんまりとまとまってしまった感があり、欲を言えば後半ファルセットになるあたりでハメを外して激しく身もだえしながら絶唱しまくるとか過剰な何かが欲しかったかな。

1. SEB
2. Feelings
3. Crying On The Inside(甘茶偏差値64)
4. Sooner Or Later
5. Yesterday's Dream(甘茶偏差値69)
6. Dirty Bert
7. For Your Love(甘茶偏差値63)
8. Find Somebody To Love

34.MICHAEL ORR PRESENTS SPREAD LOVE / SPREAD LOVE (SUNSTAR 2901)

SPRED LOVE.jpg

「MICHAEL ORR が紹介する SPREAD LOVE」ということですが、CD屋さんの表記を見るとヴォーカルの「MICHAEL ORR」がアーチスト名として表記されているところもあるようですね。本アルバム収録曲の6曲を後に「Harris & Orr」名義でシングルカット(ミニLP?)していることもあり、「SPREAD LOVE」はグループ名ではないのかも知れません。ジャケは魔法のランプから魔人が飛び出したという構図の不思議なムード漂うもの。おそらく70年代後期ぐらいのもので、内容は適度に洗練されたムードのモダンソウル。ヴォーカルは全編を通して「MICHAEL ORR」の太目のバリトン・リードのみ。

1はミディアムで可も無く不可も無く。2は甘いスロウだけどコーラスも付かなくメロディの出来もごく平凡。内容的にも甘茶ソウルとは呼び難い。3は出来のいい傑作モダンソウル。張りと艶のある力強いヴォーカルが魅力的で伸びやかに歌います。気持ち良さそー!キャッチーで爽やかなメロディにタイトで軽やかなリズムも良い。オカズの豊富なドラムスは実にフロア映えしそうでクラブプレイにも適してます。(この曲、どっかのコンピか誰かのセレクトで愛聴してたのですが失念。どなたか教えて!)

4もヴォーカルは「MICHAEL ORR」だと思うのですが、ファルセットぎみに歌う甘いかなりゆったりとしたスロウ。悪くは無いが良くも無い。5は軽快なインストでノリは3に近い良いものがあるんだけど、如何せんヴォーカルが無いのでつまらない。6はグループ名にしてアルバムタイトル曲。そういえばSPREADの活用って、SPREAD-SPREAD-SPREADだったよなあと思い起こし訳してみると「拡がった愛」、「愛の普及」ってところか。ちょっと精神世界的なムードが漂う暗めのナンバー。7はゆったりとした甘めの曲。メロディはいまいち。8も6によく似た雰囲気でスピリチュアル・ソウルという感じ。9は全編に時折り波の音が聞こえるゆったりとしたインストで和み感はなかなかのものだけど、このアルバムに入る必然性は感じないな。

全体としては甘茶ソウルとは言い難いけれども、「MICHAEL ORR」のヴォーカルはなかなか聴き応えがあります。傑作モダン「Here I Go」があるのでモダンソウル好きならば是非聴いておきたいところでしょう。なお、以前CD化されたものにはボーナスとして10-12の3曲が収録されているようです(未聴です)。

1 Ecstasy, Fantasy and Dreamland
2 Let Me Be With You Awhile
3 Here I Go (Through These Changes Again) (モダンソウル偏差値67)
4 Feelings
5 Piece of Mine
6 Spread Love
7 Keep My Fire Burning
8 You Opened My Eyes to the World
9 Afterwhile

(CD BONUS TRACK ?)

10 I Don't Know You
11 Hear the Message
12 Spread Love (Book of Life)

35.SLY SLICK AND WICKED / GET DOWN LIVE (BAD BOY'S 1001) '74

SLY SLICK AND WICKED.jpg

A1 Too Much Man For A Weak Lovin' Woman
A2 Symphonic Revolution
A3 You Got To Funkafize
A4 Confessin' A Feeling
B1 Hey Big Brother
B2 Pusher Man
B3 The World Is A Ghetto
B4 The Truth Shall Make You Free
B5 Rock And Roll

1977年にJu-Parからアルバムを出しているClevelandのソウルの3人組コーラスグループとは別グループで、こちらは1972年にConfessin' A Feelingをヒットさせているロサンゼルスの7人組ヴォーカル&インスト・グループ。グループ名はLost Generationのヒット曲からとったそうな。U.S.BLACK DISC GUIDEの究コレ掲載のこのアルバムはそんな彼らのライブ盤。72年の時点でシングル1枚しか出しておらず、ほとんど持ち歌の無い彼らのライブ盤ということで実際にカバー曲がほとんどのようだ。内容はスロウやファンキーなアップなど交えたものだけど、かなりB級、いやC級感が漂う出来。録音も良いとは言えず、観客の歓声やざわめきなども入り場末のキャバレーかどこかでやっている売れないバンド感が強烈に漂う。一番の聴かせどころは唯一のヒット曲のA4ということになるけど、そもそもスウィートソウルとライブの相性は悪い。フィリーソウルに代表されるようにスウィートといえば華やかでしっかりと練られた煌びやかで緻密な演奏をバックに何度も録音し直した完璧なハーモニーが特徴的。その点を考えれば、『スウィートソウルのライブ』という存在自体が矛盾みたいなもの。当然のようにここで聴けるものも稚拙な出来となっていてアルバム通して聴くのが苦痛なレベルで、このレコードが当時全く売れずにレア盤化したことは容易に想像がつく。「持ってな恥」という表現を借りればこれは「持ってると恥」レベルの内容かと思いますが、一応究コレ掲載盤ということで自慢げに持っている人もいるのだろうか。(偏差値60以上はありません。)

36.THE THOMPSONS / I'LL GET OVER IT (BCW 101) '75

THOMPSONS

A1.MESSAGE
A2.SEEMS LIKE I'VE KNOWN YOU(甘茶)
A3.I'LL ALWAYS LOVE YOU(甘茶)
A4.INVINCIBLE(甘茶偏差値61)
B1.I'LL GET OVER IT(甘茶偏差値63)
B2.LOVE IN HER EYES(甘茶)
B3.WE LOVE TO SING
B4.GOTTA GET DOWN TO EVER GET UP

(感想 その1)

ロッキングオン誌に係っていた大類信氏が発行していた『SALE2(セールセコンド)』という雑誌の初期には、岩谷宏さんが連載していた。なので私も友の会の会員になったりして定期購読していたのだが、そこで偶然目にしたのが湯村輝彦氏のトンプソンズ話だった。湯村輝彦氏の甘茶話で一番有名なのが、このTHOMPSONS にまつわる逸話ではないでしょうか。

未だ甘茶ソウルなど聴いたこともない青年時代にこの逸話(P.58)を初めて読んだ時の衝撃といったらそりゃあ凄かった。そこに私はお皿コレクター話の持つめくるめく禁断の甘美な世界を垣間見、未だ聴けぬ超高値皿の音世界を夢想したものです。一体一枚数万円もするレコードで聴ける世界はどれほど甘美な世界なのだろう、と。(当時はDOO-WOP のグループだと思っていましたが。)

それが聴けたのは最初にこの話を読んでから実に10年近くたってからのことなのですが、その間ずっとこのお皿に想いをめぐらせていた私は、何よりも聴けたという満足感が先にきまして、音の方は最初はピンときませんでしたね。このALBUMから代表曲を選ぶとなるとやはりこのタイトル曲「I'LL GET OVER IT」になるのでしょう。ちょっと痛みのかかったゴスペルチックな曲で崇高な香りがします。トローリ甘いというのとは違って、ちょっと期待はずれにも思いましたが曲の水準はやはりかなり高いですね。

私の場合、一枚数万円もする甘いDOO-WOPの曲が存在する!という話を読んだ衝撃が、初体験にも似た甘美な想いそのものであった、というのがこの曲の原体験と言えます。曲そのものよりも曲への想いこそが大切な想い出になる、これも甘茶ソウルの素敵な一面ですね。テリーさん、いい夢を見させてくれてどうも有難うございました。

(感想 その2)

全体としてここで聴けるファルセットは決して甘く耳に心地よいというものではなく、どちらかと言うと辛味がかった耳障りな感じを受け、個人的にはそこが大きなマイナスポイント。甘茶ソウル系が5曲入ってるけど特に突出した内容ではなく、結論としては大騒ぎするほどの内容ではない。安くお皿が転がっていたら話のタネに買ってみる手もあるか、という程度です。

A1は暗めのアップ。「メッセージ、メッセージ」とコーラスが延々繰り返されるが何を伝えたいのか聞きとれないが、まあ特に大きな意味はなさそう。A2は出だしにピアノのイントロと甘めのコーラスを伴い期待に胸膨らむが、ファルセットやテナーが交互に歌ったり、語りが入ったりとゴチャゴチャした構成でどうにも煮え切らない内容。A3の出だしもドラムスのたたみかけと甘めのコーラスでドラマチックに迫りなかなかだが、その後の展開が2同様にゴチャゴチャしててココゾという聴かせどころが無い。A2,A3に続いてA4も甘茶ソウル。バックの音が荘厳、神聖な雰囲気。女性に対し、YOU'RE INVINCIBLEと歌っているようだけど、不屈の精神の持ち主という意味で使われている感じかな。

B1はアルバムタイトル曲で曲中では「貴方と共に(象徴的に)山を克服します。」と歌っている感じです。オルガンのメロディが崇高な雰囲気を出していてムードはなかなか。メロディも良く出来ているんだけど、歌詞の内容と痛みがかったファルセットで甘みが薄まっていて残念。B2もA2からB1までと同様にシンセとピアノ中心にした荘厳でムーディーなバックの甘めの曲ですが、やはり盛り上がりに欠ける。B3,B4はA1同様暗めのアップで凡庸な内容。

37.TIMELESS LEGEND / SYNCHRONIZED (PENDULUM 101) '76

TIMELESS LEGEND 2.jpg

2003年ESCROW RECORDS 23011-ESCとしてCD化されました。その際に10,11の二曲がボーナストラックとして追加収録されています。古時計と砂時計をイメージしたかのようなジャケがいい味出してますね。

1. I Was Born To Love You
2. Lonely Man
3. Love's Choice
4. Checking You Out
5. Baby Don't Do This To Me
6. River Boat Queen
7. You're The Best Thing
8. Ghost Of Love
9. Where There's A Way
10. Do You Love Me
11. You're The One

38.THE TOPICS / GIVING UP (TSG 810)

THE TOPICS.jpg TOPICS 2.jpg

所謂TSGのレア皿甘茶3部作なんて持て囃されたりした一作。近年こぞって再発されているようですね。もしかして気づいて頂けている方もいるかも知れませんが当ブログでは、このTSGのレア皿甘茶3部作は全く評価していません。どれも所謂レアなりに駄目な作品って感じです。そもそも美しいとも言われるジャケットもフランス映画みたいな小洒落感がソウルっぽくない、、、。アルバム全11曲に他のグループの曲も加えた形で大部以前に「THE TOPICS & FRIENDS / ALL GOOD THINGS (P-VINE PCD5386)」としてCD化されていて、今回はそちらから該当曲のみのレビューとさせて頂きます。(曲順が異なります。)

2はポピュラーヒットのカバーで出来も月並み。3は甘茶ソウルと呼べる内容だけど、サビにキャッチーさはあるものの、魅力的というには程遠い内容。4は平凡なアップ。5は甘茶ではないけれど、透明感と空間的拡がりを感じさせるソウルでまずまずの出来。6も月並みソウル。7はそこそこ大仰に盛り上がるバラードタイプの曲だけど、甘みも足りなく出来もいまいち。8は暗めのバラードでやはり糖度不足は否めない。10は明るく軽めのソウル。11だけ女性リードの曲。(偏差値60以上は有りません。)

「THE TOPICS / GIVING UP」
1.At Last It's Over
2.Wichita Lineman/Rainy Night in Georgia
3.All Good Things Can't Last (甘茶)
4.You've Got the Power
5.Gotta Get You Back
6.Your Love Comes Slower Than Never
7.Please Take This Heart of Mine (バラード)
8.Giving Up (バラード)
9.Movin' on Down the Line
10.Bookin' Up
11.God and You

THE ELECTRAS
12.Another Man's Woman
13.Nothing in the World

MARION BUTLER
14.What Is Love
15.Am I Ever Gonna See My Babe Again

LORELI
16.God and You
17.Everybody's Got a Good Thing

39.TRACK 4 (TRACK IV) / IN RETROSPECT (WONDER 008)

track4.JPG

究コレでの紹介文によるとジョージアの4人組で実力は中位とのことですが、、、。実際に聴いてみると内容はゆるいカバー中心で脱力必須。オリジナル曲も田舎の素人グループの域を出ない感じで、これといった味も無い。甘茶ソウル系の曲も無いので甘茶ファンには無縁のアルバムと断言して良いでしょう。

A-1のI Can't Turn You Looseはイントロの一瞬だけですぐにGet Readyの方に移ります。歓声が入るので形式はライブ風ですが、このグループこんなに人気あるの?ってぐらいの歓声かつ不自然な盛り上がりぶりから擬似ライブと思われます。バックの演奏は薄っぺらだけどお歌の方はまずまずかも。A-2はのんびりムードのほんわかソウル。悪くは無いが取り立てて良くも無い。A-3のカバーをSAM&DAVEと比べろと言われても困ります(笑)って出来。A-4もゆるいカバーで、きっとこういうのをジョージアの田舎のキャバレーなんかで営業してるんだろうな。

B-1は明るめでほんわかとしたムードのミディアム。いい意味で70年代のアメリカの田舎の平和な空気が漂ってきそうな雰囲気はあるが、出来はイマイチ。終わったと思ったらリプライズしてきて思わず失笑。B-2のDouble Shotはユニゾンで歌う明るく軽快なナンバー。歌はなかなか弾けた味があるが、バックの演奏含めてB級感がジンワリと滲み出とります。で、何故かStayという60年の古いヒット曲にメドレー展開しますが、これが全く必然性を感じさせないんですよ!まいった(笑)。

B-3もメジャーヒットのぬるいカバー。まあ、これらカバー曲のラインアップを見るだけでも勘のいい方なら出来の方も想像がつくというものでしょう。オリジナルらしきB-4は乾いた空気感にリードの歌もなかなか冴えた感じ。明るめのメロディやコーラス、演奏もこなれた感じで結構良くて偏差値59ぐらい。このクオリティで全体をオリジナルで通せてたらこのアルバムにも存在意義があっただろうにと思わせる。B-5はオリジナルの魅力をさほど損なうことなくこなしてるけど、特別良い何かがあるという訳でもない。(偏差値60以上はありません。)

曲名右側の( )内にオリジナルと思われるアーチスト名を書いておきます。

A-1 I Can't Turn You Loose - Get Ready ( OTIS REDDING )- ( TEMPTATIONS )
A-2 One Thousand Times
A-3 Soul Man ( SAM & DAVE )
A-4 Save The Last Dance ( DRIFTERS )
B-1 "Be Young, Be Foolish, Be Happy"
B-2 Double Shot - Stay ( MAURICE WILLIAMS & ZODIACS )
B-3 My Girl ( TEMPTATIONS )
B-4 With This Ring ( PLATTERS )
B-5 I Can't Help Myself ( FOUR TOPS )

40.THE VILLAGE CHOIR / STREET OPERA WITH A BLUES WALTZ (SCM RINGER 2000)

VILLAGE CHOIR  STREET OPERA WITH A BLUES WALTZ.jpg

村の合唱団という名のグループで、「I'LL DO ANYTHING FOR YOU」の素晴らしい歌唱で知られるLEE MCDONALDのいたグループ。タイトルに「オペラ、ブルース、ワルツ」などとソウルと異なる音楽が列記されてますが、中身は100%ソウル系ブラック・ミュージックです。合唱団という名とは裏腹に基本はコーラスのほとんど付かない男女のツインリードだけど、幾つかLEEの素晴らしい歌声が堪能出来ます。

A1は暗めのディスコ。女性リードがブギウギと歌って、ノリもまずまず。A2は男女のツインリードのより軽快なディスコ。A3は女性リードの甘めのスロウ。なかなかキャッチーなメロディだけど偏差値は57程度で甘茶ソウルという感じでもない。A4は明るめのミディアム。B1は男女の語りで始まる甘めのソウル。LEEの伸びやかな歌声はなかなか良いけど、コーラスも付かずメロディも少し魅力薄。

B2は女性リードがファルセットぎみに歌う甘めのソウルで一応甘茶ソウルと言える内容。ただしムードは悪くないんだけれど、メロディは魅力不足だし後半の展開がだれる。B3は軽快なグルーヴのモダンダンサー。少し女性リードも入るけど、ここでのLEEの歌唱はなかなか迫力が有りカッコイイ。彼はこういうアップテンポな曲が似合いますね。B4は少し酸味がかった甘めのミディアム。LEEの力量を感じさせる伸びやかな歌声が素晴らしい。メロディもなかなかで洗練された雰囲気もモダンな感じでなかなか良いのだけれど、残念ながら曲がちょっと短い。

A1 DANCING TO THE STREET DANCE BAND
A2 ALONG THE BEACH
A3 YOU ARE THE ONE FOR ME (甘めのスロウ)
A4 YOU'RE ALWAYS THERE
B1 WHERE HAS THE SUMMER GONE (甘めのスロウ)
B2 STREET OPERA (甘茶)
B3 THIS SUMMER FEELING (モダンダンサー偏差値61)
B4 ALL PURPOSE LOVE (モダン偏差値62)



【 リンク 】

U.S.BDG 究極のLPコレクション - グループ編-1

U.S.BDG 究極のLPコレクション - グループ編-2

↑は共にGolden Age Of Soul Musicのアドヒスタさんによるリンク集です。


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